すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


益田池(奈良県橿原市)





ねぬなはのくるしかるらむ人よりも 我ぞますだのいけるかひ無き 拾遺和歌集
苦しいとおっしゃるあなたよりも私の方が苦しさがまさり、
生きているかいもないほどです(歌枕歌ことば辞典) 


恋をのみ益田の池のうきぬなは くるにぞ物の乱れとはなる 古今六帖
恋だけを増すという益田の池の浮きぬなわを操ると蔓が乱れるように、
あなたがやってくると心が混乱してしまうことですよ(歌枕歌ことば辞典) 


益田池は、平安時代初期に畝傍山の南麓にあったため池。
とても巨大なため池だったらしく、シンボリックな存在として歌枕になっている。
「益田の池」なので「増す」に掛けたり、池の名産の「ぬなは」(ジュンサイ)を詠み込んだりしている。

現在は堤防跡だけが残っており文化遺産として保存されている。




【現地訪問】


右手の高取川の水を引いていたらしい




「益田池児童公園」の中に堤跡が保存されている。
公園の奥に見えるのが堤跡。堤防の高さは9メートル。




堤の断面




堤の天端







え〜と、Wikipediaで益田池の規模が説明されていたので転載

規模

現在の橿原市久米町から白橿町にかけて存在し、面積は40ヘクタール(0.4平方キロメートル)であったとされる。堤防は現在の鳥屋橋北から鳥坂神社まで長さ約200メートル、幅約30メートル(基底部幅約28m)、高さ約8メートル(約9.1m)であり、満水時の貯水量は140万トンから180万トンと推測されている。











場所的に万葉集で詠まれた歌枕のように感じますが、ため池が
できたのが平安時代初期なので万葉集では詠まれていません。






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