すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


益田(ますだ)の森(滋賀県長浜市)








滋賀県長浜市の「益田」は昔から歌枕として名が知られていたようだ。



皇(すべらぎ)を守りますだの森なれや 赤ら柏の赤らめもせず 顕輔集



ダジャレのような歌で、連用形に付く助動詞として「ます」を導いている。赤い柏は赤飯のことで、めでたい歌に仕上げている。



年毎(としごと)益田の里の稲なれば ()くとも()きじ千代の秋まで 夫木和歌抄



「ます」は増えることなので、実にに縁起の良い地名である。米の収穫が年々増えていくことを言祝(ことほ)いでいる。








【現地訪問】



益田の集落の北端にある麻蘓多(まそだ)神社
延喜式神名帳に載せられている古社である



境内に由緒書きの石碑があった
このなかで上掲「皇を守りますだの森なれや〜」の歌が刻まれていた



社殿
村の鎮守社のような佇まいであった



神社の北側から撮影
この社叢が「益田の森」で、その背後の集落が「益田の里」



集落の周りは田んぼが広がっていた
年毎に収穫が増えているのかどうか分からないが、豊かな田舎の風景だった



これも



集落の北縁に益田川が流れている
この橋の名は「益田川橋」












現在の感覚では「ますだ」にそれほどご利益を感じません





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