すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


松田江の長浜(富山県高岡市)






もののふの 八十伴の男の 思ふどち 心遣らむと 馬並(な)めて うちくちぶりの 白波の 荒磯に寄する 渋谿の 崎た廻(もとほ)り 松田江の 長浜過ぎて 宇奈比川 清き瀬ごとに 鵜川立ち か行きかく行き 見つれども そこも飽かにと 布勢の海に 舟浮け据ゑて 沖辺漕ぎ 辺に漕ぎ見れば 渚には あぢ群騒き 島廻には 木末花咲き ここばくも 見のさやけきか 玉櫛笥 二上山に 延(は)ふ蔦の 行きは別れず あり通ひ いや年のはに 思ふどち かくし遊ばむ 今も見るごと 田辺福麻呂(万葉集)


この万葉集の長歌に登場する松田江の長浜は、富山湾の雨晴海岸から氷見につづく砂浜海岸のことのようだ。
「高岡市生涯学習センター」のホームページにも、
 白砂青松の松田江の長浜は富山県随一の海水浴客で賑わうところ。夏はフェーン現象になると冠雪のない立山連峰がくっきりと現れます。ここはかつて万葉の時代、大伴家持がこよなく愛したところで、万葉集にもその歌が残されています。
日本の渚・百選、日本の水浴場88選、日本の遊歩百選に選ばれています
と紹介されている。




【現在の松田江の長浜】


氷見市の方向



雨晴海岸向き
良い季節なら、立山連峰が見えるらしい



これも、冬とかの時期であれば、能登半島の先っぽの珠洲が見える。今回訪問したのは8月の夏の盛りだったので、水蒸気とかでなかなか遠くまで見渡せない季節であった。



氷見市海浜植物園に「万葉故地 麻都太要能奈我波麻」碑
(植物園は広すぎて探すのが大変だった。石碑の経緯度を記しておく 
36.837793, 137.004304 )



大伴家持は、この富山湾を珠洲から松田江の長浜まで舟で渡っている。万葉集にその時の歌を残している。


珠洲の海に 朝開きして 漕ぎ来れば 長浜の浦に 月照りにけり 大伴家持(万葉集)
(私訳)朝、珠洲の海から舟を漕ぎ出したが、長浜の海に着いた頃には月が照っていた 


あーそうですか、というような内容であるが、一日中、舟に乗っていたので大変だったろう。
















いろいろ考えましたが、感想ありません







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