すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


松本村(滋賀県大津市)







元文三年(1738年)、桜町天皇の大嘗祭の稲舂歌(いねつきうた)

うらにあふこの松もとにぬきほして きみがちとせのはじめにぞつく 烏丸光栄





寛延元年(1748年)、桃園天皇の大嘗祭の稲舂歌

松もとの村のはつほをぬきそめて 八百万代のためしにぞつく 柳原光綱





明和元年(1764年)、後桜町天皇の大嘗祭の稲舂歌

ところからなも松もとのいねなれば つきせぬちよをちぎりてぞつく 日野資枝





文政元年(1818年)、仁孝天皇の大嘗祭の稲舂歌

すべらぎのみよ万世とつきそむる 松もとむらのながひこのいね 広橋胤定




近江国の松本村は、江戸時代の大嘗会で稲舂歌が何度も詠まれた大層めでたい土地である。

大嘗会の和歌は、稲舂歌をはじめ、風俗歌などテーマ毎に数種類が詠まれるのだが、稲舂歌はトップバッターで、しかも稲の収穫を直截詠み上げることから、稲作の地として稲舂歌が詠まれることは、名誉極まりないことである。

そんな誉れ高い松本村であるが、いったいどんな所なのか。




現在は大津市の中心部に近い市街地で、住宅が密集しており、水田はなさそうだ。





■ 現地に行ってみた。


旧東海道



これも松本の旧東海道、狭い道だった



これは旧東海道の二本北側の道



デイサービスセンターの名称は「まつもと」



郵便局は「大津松本」



松本瓦の展示があった
昔、松本村は瓦の産地として有名だったようだ










ただし、斎田であったことの石碑などは見当たらなかった。








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記念碑とか建てたらどうかなと思いました






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