すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


夫婦岩(三重県伊勢市)




二見の夫婦岩は伊勢の代表的な観光地である。







伊勢旅行の象徴的な写真である。


周りの岩々はこんな状況。


鳥居越しの夫婦岩と観光客







夫婦岩は伊勢二見の二見興玉神社の神域にある。
この神社のご神体はなんと、この磯の沖合600メートルに沈んでいる「興玉神石」という霊石だそうだ。もともと海上に見えていたが、宝永大地震(1707年)で海中に沈んだらしい。
つまり夫婦岩に注連縄が掛けられているのは、沖合の興玉神石の鳥居と見立てているため。

興玉神石は普段は海中にあるが、チリ地震(1960年)の津波で水が引いた際に姿を現したらしい。



こんな夫婦岩は昔は立石と呼ばれていた。
立石を詠んだ歌。


逆艫おす立石の白波はあしきしほにもかかりけるかな 西行


 








さて、ご神体は沖に沈む興玉神石だとしているが、さらに200キロメートル離れた富士山がご神体だという説もある。夏至のころには富士山の山頂付近からの朝日が御来光となることから多くのカメラマンや観光客が待ち構えるらしい。


そんな富士山と夫婦岩を詠んだ句


初富士の鳥居ともなる夫婦岩 山口誓子


夫婦岩に向かう海岸沿いに句碑

二見浦の夫婦岩は、沖の海底にまします興玉神の鳥居である。昭和62年の正月、興玉神社に初詣をしたとき、宮司様から「今朝、夫婦岩の間に富士山が見えました」と聞いたので、それが直ちに句になった。神体山の富士山の鳥居にもなったのだ。
(案内板より)






江戸時代の伊勢参宮名所図会にも夫婦岩の後ろに
富士山と御来光が描かれている。











外国人の観光客も大変喜んでいました。





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