すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


岩瀬の森(福島県須賀川市)




「岩瀬の森」といえば、真っ先に大和の竜田川のほとりの「岩瀬の森」を思い浮かべる。三室山や神奈備とかも近くて、まさに歌枕の総本山のような場所に位置している。枕草子にも「森は、、、岩瀬の森、、、」と紹介されている大和国を代表するような歌枕の地である。


ところが、みちのくにも「岩瀬の森」があった。
大和国の「岩瀬の森」の二番煎じかなと思っていたら、実は養老年間(8世紀前半)に陸奥国から岩背(いわせ)が独立し、須賀川に国府が置かれていたいたようだ。
このため、「岩背の森」があっても何らおかしいことでなく、大和国の二番煎じでは決してないようだ。


その後、岩背国は短期間で再び陸奥国に併合された。

そして現在、須賀川のマイナー歌枕の地として「岩瀬の森」が人知れず残っている。





そんなみちのくの岩背の森に行ってきた。



「村社 鎌足神社」となっている。
藤原氏と関係あるのかな?



岩瀬の森は小山になっていて、参道の階段を上っていくと、社殿がポツ然と鎮座していた。



階段を上ったところからの眺め。



岩瀬の森を詠んだ歌

陸奥岩瀬の森の茂る日に一声暗き初ほととぎす 紀 貫之


境内に歌碑




なんというか、松尾芭蕉と曽良は須賀川に1週間程度滞在したにもかかわらず、奥州街道沿いにあったこの岩瀬の森について何も言及していない。
そんな扱いだったのだろう。












せめて芭蕉が何か岩瀬の森について言及していたら
その後の扱いは変わったと思います。





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