すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
岩瀬の森(福島県須賀川市)
「岩瀬の森」といえば、真っ先に大和の竜田川のほとりの「岩瀬の森」を思い浮かべる。三室山や神奈備とかも近くて、まさに歌枕の総本山のような場所に位置している。枕草子にも「森は、、、岩瀬の森、、、」と紹介されている大和国を代表するような歌枕の地である。 ところが、みちのくにも「岩瀬の森」があった。 大和国の「岩瀬の森」の二番煎じかなと思っていたら、実は養老年間(8世紀前半)に陸奥国から このため、「岩背の森」があっても何らおかしいことでなく、大和国の二番煎じでは決してないようだ。 その後、岩背国は短期間で再び陸奥国に併合された。 そして現在、須賀川のマイナー歌枕の地として「岩瀬の森」が人知れず残っている。 そんなみちのくの岩背の森に行ってきた。 ![]() 「村社 鎌足神社」となっている。 藤原氏と関係あるのかな? ![]() 岩瀬の森は小山になっていて、参道の階段を上っていくと、社殿がポツ然と鎮座していた。 ![]() 階段を上ったところからの眺め。 岩瀬の森を詠んだ歌 |
陸奥や岩瀬の森の茂る日に一声暗き初ほととぎす | 紀 貫之 |
なんというか、松尾芭蕉と曽良は須賀川に1週間程度滞在したにもかかわらず、奥州街道沿いにあったこの岩瀬の森について何も言及していない。 そんな扱いだったのだろう。 |