すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
本能寺の変の後、逆臣とされた明智光秀の娘で、細川忠興に嫁いでいたガラシャは丹後の山奥の味土野の地に幽閉されることになった。 豊臣秀吉に許されるまでの二年間、細川ガラシャは土地の人たちに厄除けの札を配ったりするとともに、宗教的な祈りの時を過ごした。 細川ガラシャが味土野に隠棲していた間に詠んだ歌が伝わっている。 |
身を隠す里は吉野の奥ながら 花なき峰に呼子鳥なく | 細川ガラシャ |
三戸野山けふみる君は夢ならで 見てあたたかきもみじ葉の映え | 細川ガラシャ |
逢うをみて重ぬる袖のうつり香の 残らぬにこそ夢と知りぬる | 細川ガラシャ |
■ 現地訪問 現地を訪問してきたが、大変だった。 とにかく、これから味土野へ行かれる人に伝えたいのは、網野岩滝線(府道53号線)の外村粕辺口から弥栄本庄線(府道57号線)で山を上るルートは使わない方が良いと言うこと。 道路の幅は狭く、曲がりくねり、すれ違う場所もなく、落石と枯れ枝が道に落ちているし、しかも携帯の電波が届かない、つまり現在位置も分らない、そんな道が8キロ近く続く。 不安と焦燥と悔悟とで疲労困憊になって山を上り切った。 帰りは井辺平線(府道654号線)を通ったところ、スイス〜イと走れたので、こちらをお勧め。 |
いやはや大変だった。 山を上ったら高原状態になっていて、農地も現れ、集落も見えてきてホッとした。須川という地名。 そこから数キロ、また狭い道を走ってようやく味土野に到着。 昭和38年の大雪の年までは集落があって人も住んでいたらしい。 小高いところに細川ガラシャ隠棲の地として史跡が整備されていた。こんな山奥なのに小ぎれいに清掃されていた。 ![]() 細川ガラシャは、2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」の主役、明智光秀の娘なので、ドラマ関連の幟があった。 ![]() この小さな丘は城跡らしい ![]() 味土野女城跡の標識 谷を越えたところに「男城」もあった ![]() ガラシャが使用した井戸の跡とのこと ![]() 女城の上に「細川忠興夫人隠棲地」の立派な石碑があった ![]() 女城から男城を望む、向かいの山 |