すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


美保の関(島根県松江市)





島根半島の東端に位置する美保関。
岬は美保の碕とも呼ばれ、出雲国風土記の国引き神話では、越の国から綱で引っ張ってきたことになっている。ちなみに、綱を掛けた杭は伯耆国の火の山(現在の大山)とされ、綱はその後に弓ヶ浜になったとされる。





美保の碕を詠んだ歌


みことのみかしこみてこそもろた舟 これよりみほのさきにつくせな 源師俊
「もろた舟」は多数の櫂がある船


波とほくへだつる雰にみほがさき 八重ふしがきの神代をぞ思ふ 伴蒿蹊(出雲国名所歌集)
「出雲国名所歌集」は江戸時代後期に編纂


みほが関よるの浪の穂のいちじろく神世のあとぞここに残れる 三条実美
三条実美は明治の元勲




美保の碕は「地蔵埼」とも呼ばれている

地蔵崎わが乗る船も大山も沖の御前も紺青のうへ 与謝野寛
地蔵崎波路のはての海の気のかげろうとのみ見ゆる隠岐かな 与謝野晶子






【現地訪問】


美保の碕から四キロ沖の岩礁は、沖之御前というご祭神であり、ここが遙拝地となっている。



北向き。天気が良いと隠岐の島が見えるらしい。



西向き。リアス式海岸が続く。



美保関灯台
明治31年フランス人の指導で建設された石造りの灯台。
歴史的価値が高いらしい。




この横に与謝野夫妻の歌碑があったらしいが、写真を撮るのを忘れた。残念。













ここから竹島は見えるのだろうか






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