すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
みかの原(京都府木津川市)
漢字では「瓶原」と、一般的に書く。 恭仁京を含む泉川(現在の木津川)沿いの平地のこと。 大昔は木津川の氾濫原だったのだろう。 この地図の右上の山手から左下の方向を写した写真 ![]() 普通の田舎の光景であるが、 @奥の山が歌枕で有名な「鹿背山」で、 Aこの畑が昔の恭仁の都の跡で、 Bそしてこの平地一帯がこれまた歌枕の「みかの原」だと知ったら、 この写真も正に、かたじけなさに涙がこぼれるばかりに感じてしまう。 まあ、それはともかくとして、この「みかの原」にまつわる歌を紹介する。 先ずは万葉集、
新都建設の祝い歌である。ところがいきなり急展開する。
建都して数年で恭仁京は廃せられる。 その後、古今集のこの歌ぐらいから、歌題が変わっていった。
木津川(泉川)の南岸にある「鹿背山」も登場。 「みかの原」と「三日」、「鹿背山」と「貸せ」を掛けている。 この頃から「旅の歌」が多く詠まれるようになった。
引き続き日付のダジャレも詠まれている
そうそう、恋の歌もあった。 しかも百人一首に入集! |
みかの原わきて流るる泉川いつ見きとてか恋しかるらむ | 藤原兼輔(百人一首) |
「みかの原わきて流るる泉川」までが「いつ見き〜」を導く序詞。同音反復でリズムをとっている。 素晴らしい! |