すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


三国山(福井県坂井市)




三国山 木末に住まふ むざさびの 鳥待つごとく 我れ待ち痩せむ 万葉集


三国山の梢に棲むムササビが鳥を狙って待ってるように、私はあなたをじっと待ってます、って意味。万葉の時代のストーカーのような歌である。


一方、大阪府堺市の「三国ヶ丘」もこの歌のゆかりの地とされている。
実際のところ、どっちがどっちでも構わないのだが、以前に大阪の「三国ヶ丘」に行ったので、これで両方とも訪問したことになる。


さて、往古はムササビが普通に木の上にいたらしいが、ムササビの毛皮は防寒具として優れていたので、乱獲されたようだ。


不思議なのは、大阪の三国ヶ丘と福井の三国山はどちらも堺市と坂井市(どちらもサカイシ)にあること。
サカイは国とか地域の境の意味であるが、何か共通することがあるのかな。


ムササビとモモンガの違いについても興味がある。





今回、福井県坂井市の旧三国町にある三国神社に行ってきた。ここは継体天皇が若いころに治めた地域で、なにかと由緒がありそうである。
三国神社が鎮座する丘陵地は現在でも鬱蒼とした森となっており、ここが歌に詠まれた三国山なのかも知れない。





【三国神社】  ・・・ 福井県坂井市三国町山王6-2-80



三国神社の社頭。それなりのスケールがあった。



楼門(随身門)



素晴らしい随身像が納められていた。



拝殿、かな?


この三国神社の裏手にある桜谷公園に上記万葉歌の歌碑があるとの情報があったのだが・・・



桜谷公園。真夏の時期の訪問であったので、石段が厳しかった。



公園なので、こんな感じだったり、



こんなホラ貝があったりしたが、肝心の万葉歌碑が見つからなかった。





「○○公園に歌碑」という情報にはいつも苦労させられる。
公園といっても狭い公園から広い公園まであり、広大な公園の中で歌碑を探すのは大変なこと。
とりわけ、この桜谷公園のように山全体が公園になっているところは、本当に大変である。
















まあ、それほどの思い入れのある万葉故地でもないので、
スルーして次の目的地に向かいました。






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