すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


湊川(神戸市中央区)




湊川と古典文学との関わりは「太平記」であろう。

建武新政府の新田義貞と楠正成が、九州から攻め上ってきた足利尊氏・直義と湊川で戦い、激戦の末に楠正成が敵陣に包囲されて、最後は一族とともに自害に追い込まれたもの。

明治新政府が湊川古戦場跡に湊川神社を建立。
現在でも、楠正成を祀る神社として広く親しまれている。


湊川神社の本殿



「大楠公 御一代記」という楠正成の絵物語の案内板







この湊川神社の能楽堂で、私の知人が趣味の狂言の発表会で出演することになり、見物にいった。


  

   

  

  

演目は「磁石」
とても楽しかった。









さて、湊川にちなんだ和歌をご紹介


湊川夏の行くては知らねども流れてはやき瀬々のゆふしで 順徳院



旅衣朝たつ袖の湊川かはらぬ瀬にとなほや頼ま 今川了俊(道行きぶり)


現在の湊川神社の場所は、昔の湊川の流路跡にある。
六甲山に発し、瀬戸内海に注ぐ川であるが、急勾配であることから地元は昔から洪水に悩まされてきた。
現在では新しい流路に導水され、洪水は克服されているようだ。






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摂津名所図会
「楠 足利 湊川 血戦」

早稲田大学図書館






こんな歌を見つけた


湊川にて
月と日の むかしをしのぶ 湊川 流れて清き 菊の下水 坂本龍馬













食わず嫌いであったけど、狂言はよかったです





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