すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


御坂峠(みさかとうげ)(山梨県都留市)





結局、目的地の御坂峠・天下茶屋にたどり着けなかった件





御坂峠は、山梨県の河口湖から甲府盆地へ抜ける途上にあり、かの日本武尊(やまとたけるのみこと)も越えたという、由緒正しき峠である。


御坂峠は標高1500メートルもあり、徒歩で超えるのは大変であった。
昭和6年にトンネルが開通し、バスが往来するようになり、飛躍的に便利になったという。


このトンネルの河口湖側の入り口付近に、太宰治の「富嶽百景」の舞台となった天下茶屋という峠の茶店が現在でも営業しているとの情報に接し、ぜひ天下茶屋で休憩して富士山を眺望したいと、計画を練った。


当日、都留市のリニアモーターカー見学センター(休館)、田原滝を巡ったあと、河口湖を経由して国道137号線を北に進んだ。


現在では新しいトンネルが開通。天下茶屋は旧道にあるので、新道から旧道へ曲がらなくては行けない。


以下、ドライブレコーダーではなく、グーグルマップのストリートビューで状況を再現する。

国道を走っていて看板が見えた。



右に行くと「御坂峠」となっている。



そのまま進んでいくとトンネルが見えてきた。



なんとなく右に曲がる道が見えたのだが、



車のスピードも出ていて、



そのままトンネルに、



入ってしまったということ。



トンネルの手前で右に曲がるべきであった。



トンネルは2778メートル。車は一直線に笛吹市へ抜けていった。



トンネルを出たところで地図を見直したが、もう一度戻る気にもなれず、そのまま過ぎ去ることにした。残念。













昭和13年7月、太宰治は御坂峠の天下茶屋に滞在していた井伏鱒二を訪ね、自らも11月中旬まで天下茶屋に滞在した。

天下茶屋から見える富士山は「あまりに、おあつらひむきにの富士」であって、まるで「風呂屋のペンキ画だ」と評した。

その間、井伏鱒二の勧めで甲府市在住の石原美和子とお見合いをしたり、富士山麓の吉田の若者たちと宴会に興じたりして、太宰は峠の天下茶屋で充実した日々を過ごした。

そんな中、3778メートルの霊峰富士山に対し、「みぢんもゆるがず」、「金剛力草の」ように、けなげに対峙する月見草を見つける。


富士には、月見草がよく似合う 太宰治(富嶽百景)






月見草がどんな花なのか、今回インターネットで調べてみたが、とくに富士山と似合うとは思えない。個人の感想なので何ともいえないが、私はヒマワリ畑とかの方がはっきりとしたコントラストとなって釣り合うのではないかと思う。富士山の形は三角形でまとまりすぎているので、ある意味風情に欠ける所がある。













現地に行っていないので写真無し。




歌川広重「富士三十六景 甲斐御坂越」

Wikipedia






グーグルマップのストリートビューの天下茶屋から富士山眺望





グーグルマップのストリートビューの天下茶屋










天下茶屋の付近に「月見草〜」の文学碑があるそうです






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