すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
![]() 正面の三角の山が 私は大阪平野の大阪市内で生まれた。 大阪平野で育ったものにとって、山の形は「真横」である。 子供の頃はまだ高いビルがなく、東の方に信貴山、生駒山が望めたのだが、そこには山の頂はなく、稜線は屏風のように真横に続いていた。 逆断層でせり上がった地形なので、山が横一文字になって見える。 そんな育ちなので、三角形の山らしい山を見ると感激する。 今回は、鳥取市にある三角山を麓から眺望してきた。 いやはや、まさに三角の山で、感動もひとしおであった。 但しWikipediaによると、『天孫降臨のときに道案内を務めた猿田彦命が、この山に住んでいたことから「御栖山(みすみやま)」と呼ばれていた。これが「三角山」に転訛した』(三角山(鳥取県))との解説。 標高は516メートル、中国百名山の一つ。 頂上には三角山神社があって、昔は山岳信仰の修験道の地だったらしく、女人禁制だったようだ。 ![]() 用瀬の雛流しの「雛橋」と三角山。 流し雛という女性向け行事の聖地の用瀬と、女人禁制の修行地の三角山の距離が近すぎる! 流れている川は千代川。 ![]() 千代川を少し下流に下った場所から見た三角山。 かなり三角形に近づいた。 三角山を詠んだ歌 |
ゆく先をみすみの山を頼むには これをぞ神に手向けつつゆく | 在原行平(夫木和歌抄) |
在原行平は因幡国の国司だった。 |