すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


水手濯(和歌山県新宮市)




江戸時代の紀南地方の地誌、「熊野巡覧記」からのネタ





(新宮城から廣津野を経て)

是より濱邊通る 小き山の尾崎ヲ登り下る也 其山崎ニ御手洗といふ所有 盥の如き石三ツ有 昔の順路にて胎内潜といふ岩穴なと通りしと有リ 今ハ其上の山を通るなり
水手濯 白磯間浦 水手濯旧名ハ御手濯の磯なり 神武天皇荒坂ノ津ニ至て御手津から丹敷戸畔を誅し玉ふ 依て其所の磯に出て御手の血を洗ひ玉ふ 故に其地を御手洗の磯と名づく   

御手洗の磯間のつヽじ咲にけり 蜑の居去火寄とやハ見る 熊野巡覧記



え〜と、簡記すると、
新宮から、浜伝い行く岬に盥のような石が三つある、これは神武天皇が荒坂で丹敷戸畔を倒したのちに、ここで手に着いた血を洗った云々と。
よってここを御手洗と名付けられたと。




新宮の海岸である王子ヶ浜の南端、浜が終わって岩山の磯に変わった辺りのこと。
江戸時代のころは山越え(高野坂)のルートであったが、太古は磯伝いに通っていたのだろう。









■なんだかよく分からないが、水手濯へ訪問した


新宮川河口から続く浜(王子ヶ浜)が終わって磯になる。
この辺りが水手濯らしい。



満潮に近いのでよく見えないが、海食崖の先に波食台が発達している。



ふと振り返ると、特急くろしおが見えた。
観光サービスなのか、かなりスピードを落として走っていた。



高野坂から王子ヶ浜を撮影。
この下が水手濯だろう。


















この日は新宮の熊野速玉大社から那智駅まで歩きました。






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