すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


三津(滋賀県大津市)






ほととぎす三津の浜辺に待つ声を比良のたかねに鳴き過ぐべしや 俊恵



いやはや、「三津(みつ)」と聞いただけで、地名の成り立ちが分かってしまった。
三(み)は「御」に通じ、津(つ)は港。
「港」に、公式っぽい意味の「御」という接頭語が掛っているもの。

つまり、坂本の日吉神社の前の港ということ。


難波の港を「三津」というのと同じ。


最近いろいろと分かってきたよ。









そんなこんなで、まずは滋賀県大津市、坂本の日吉神社へ行ってみた。


日吉神社の一の鳥居。
ここから琵琶湖へ向かって参道を降りて行くと、約2キロメートルで日吉神社の摂社の若宮神社がある。



次は、琵琶湖畔の若宮神社。
現在でも日吉神社の船渡御の行事では、若宮神社にて船から神輿を下ろし、日吉神社へ還御させている。
たぶん、この辺りが昔の「三津」だったはず。


ところが、湖畔の写真を撮ろうとしたものの、車輌進入禁止等でまともな写真が撮れなかった。また駐車禁止だったので、近くの北大津湖岸緑地にある歌碑も撮影できなかった、残念。


撮ったのはこんな写真

若宮神社の裏あたり。
車輌進入禁止。


駐車禁止。


北大津湖岸緑地。
ここに上の歌の歌碑があるらしい。


「駐停車禁止」「進入禁止」
多分、真夏の湖水浴客対策でやっているのだろう。










さてさて、
日吉大社の境内を流れる川は「大宮川」であるが、昔は「三津」で琵琶湖に注ぐので「みつ川」と呼ばれていた。

現在のみつ川の様子

日吉大社の中


これも


これも


由緒あり気な石橋


住宅地を流れる様子


海に注ぐ直前の様子




三川の 淵瀬もおちず 小網さすに 衣手濡れぬ 干す子はなしに 万葉集








マイナー歌枕の極め付けのようなところでした。



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