すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
三輪の崎(和歌山県新宮市)
上田秋成の雨月物語の「蛇性の婬」は、三輪崎に住む主人公が美しい女性と恋愛するも、実はその女性は実は蛇であって、逃げ惑うがどこまでも追いかけてくる、そして最後は法力によって蛇を退治するという話。 物語の中で、雨が降り続く場面があり、
こんな感じで、なにかと由緒有り気な故地「三輪の崎」に行ってきた。 ![]() ジャーン! JR三輪崎駅。いい感じの跨線橋。ほとんど列車は来ない。 ![]() もちろん無人駅。 ![]() 駅構内で浜木綿を発見!奥の株 (手前はアロエ) ![]() ![]() 三輪崎の駅名を見ただけで大満足 まあ見たところ、普通のローカルな駅でした。 「佐野の渡り」のページとダブるが、近くの黒潮公園の歌碑の中から、三輪崎関連の5基を再掲載する。 |
苦しくも降り来る雨か三輪の崎狭野の渡りに家もあらなくに (長意吉麻呂/万葉集) |
![]() |
三輪の崎荒磯(ありそ)も見えず波立ちぬ いづくゆ行かむ 避き道(よきじ)はなしに (詠み人知らず/万葉集) |
![]() |
三輪が崎夕汐させばむら千鳥 佐野のわたりに声うつるなり (藤原実家) |
![]() |
みわが崎荒磯も見えずかかるてふ 波よりまさる袖やうちなむ (民部卿為家) |
![]() |
「三輪の崎」と云うからには、海で岬を探そうと思い、海岸沿いへ出てみた。そこには一般的なローカルな海辺の風景があった。![]() 夏はキスが釣れそうな海岸。 ![]() 「三輪の崎」とは、この岬のことではないかと推察。 ただし、これは「佐野の渡り」の孔島を反対側から見た風景。 歌の通り、ここらは荒磯なので、千年の歳月で風景も変わってしまうだろう。 |