すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
美夜自呂の 砂丘辺に立てる 貌が花 な咲き出でそね 隠めてしのはむ | 万葉集 |
この歌は万葉集の巻十四に収録されている。 巻十四は東歌が収録されていて、万葉時代の東国の言葉、暮らしを現在に伝えており、とても貴重なものであるという。 といって、普通の畿内の人が詠んだ万葉歌でさえよくわからないのに、東国の方言で詠われた東歌は、本当に難解である。 この歌は、恋人をヒルガオの花にたとえ、決して咲くな、みんなに隠してその花を楽しもう、という意味。 ヒルガオは美夜自呂の砂丘に生えていたもの。 美夜自呂は現在の福島県福島市を流れる摺上川のこと。 川べりに砂丘が広がっていて、そこにヒルガオの花が咲いていたようだ。 現在の摺上川の様子。 ![]() ![]() ![]() 三枚の写真を並べてみたが、なんかよくわからない。 とにかく川幅はそれなりに広いが、ヨシが群生していて川面が見えなかった。一応ここは川辺の公園になっていた。(柳沼公園) この周辺の地名は「宮代」であり、「美夜自呂」の面影が残っている。 |