すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


宮戸島(宮城県東松島市)




伊勢物語ファンとして外すことのできない訪問地であったが、超過密スケジュールの旅程のためにこんな感じになってしまった。


宮戸島を眺望、FROM 西行戻り松の展望台(松島)


残念無念、
この日は朝から仙台市から石巻市方面に繰り出し、石巻から戻りながら松島、塩竃、多賀城を訪問するスケジュール。
震災復興で車が渋滞したのに加え、どこもそれなりの歌枕であることから滞在時間が伸びて、予定が大幅に遅れてしまった。
このため遠回りになる宮戸島への訪問はパスすることにした。











宮戸島は、もともと独立した島であったが、近世になって陸地から砂州が伸びてきて陸繋島となったらしい。砂の供給源は東側の鳴瀬川。逆に言うと、宮戸島との間が砂州で繋がったことから、松島湾は湾外からの土砂の流入が防がれて、また湾内にも大きな河川がないために堆積が進まず、海が昔のままの姿で残ったと考えられる。

う〜ん、伊勢物語とか関係なく、地学的な興味から是非再訪してみたい。









伊勢物語では、


むかし、陸奥の国にて男女すみけり。男、みやこへいなむ、といふ。この女いとかなしうて、馬のはなむけをだにせむとて、おきのゐて都島といふ所にて、酒飲ませてよめる。


沖のゐて 身を焼くよりも 悲しきは 宮戸島辺の 別れなりけり 伊勢物語



在原業平は、自分は都に用なき者とし、東下りで陸奥にやってきて、陸奥の女と一緒に住んでいた。
ところがこの男、「都へ帰る」と言い出したので、女はとても悲しんで、宮戸島というところで送別会を催したとのこと。
男に酒を勧めながら詠んだのが上記の歌。
「身を焼くことよりも悲しいのは宮戸島での別れです」云々



さすがプレイボーイの在原業平、後くされのない見事な別れ方。
















宮戸島の最高峰の大高森から松島湾内の眺望。松島四大観のひとつで「壮観」と呼ばれる。



グーグルのストリートビューを埋め込んだ。
ちゃんと表示されてるかな?










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