すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
水茎の岡(滋賀県近江八幡市)
「水茎」と書いて「みずくき」と読む。 みずみずしい茎の様子から転じて、筆とか筆跡、そして手紙の意味に使われる。 とても美しい日本語だ。 滋賀県の琵琶湖畔に「水茎の岡」という万葉故地がある。 この辺りは近世に干拓されるまで琵琶湖の水面が広がっていて、水茎の岡は湖上に浮かぶ島だったとか。 往時はとても絶景だったようだが、今は一般的な風景になっている。 ![]() 干拓された田んぼと水茎の岡。 水茎の岡は現在では単に「岡山」と呼ばれていて、まさにこの写真の山にふさわしい程度の地名になっている。 ![]() 「名勝 水茎岡」碑。国道沿いにあり。 私が現在までに確認した「水茎の岡」関連の歌はこれだけ。 |
雁がねの 寒く鳴きしゆ 水茎の 岡の葛葉は 色づきにけり | 万葉集 |
この万葉歌碑はこの付近にあるとのことで、かなりの時間をかけて探したが見つからなかった。 |