すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


水茎の岡(滋賀県近江八幡市)




「水茎」と書いて「みずくき」と読む。
みずみずしい茎の様子から転じて、筆とか筆跡、そして手紙の意味に使われる。
とても美しい日本語だ。



滋賀県の琵琶湖畔に「水茎の岡」という万葉故地がある。
この辺りは近世に干拓されるまで琵琶湖の水面が広がっていて、水茎の岡は湖上に浮かぶ島だったとか。
往時はとても絶景だったようだが、今は一般的な風景になっている。


干拓された田んぼと水茎の岡。
水茎の岡は現在では単に「岡山」と呼ばれていて、まさにこの写真の山にふさわしい程度の地名になっている。




「名勝 水茎岡」碑。国道沿いにあり。







私が現在までに確認した「水茎の岡」関連の歌はこれだけ。


雁がねの 寒く鳴きしゆ 水茎の 岡の葛葉は 色づきにけり 万葉集



この万葉歌碑はこの付近にあるとのことで、かなりの時間をかけて探したが見つからなかった。













昔は今と全然違う風景があったのでしょう





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