すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


門司の関(もじのせき)(福岡県北九州市)





門司は関門海峡の九州側の地名。
古くから関門海峡は交通の要衝で、門司には関所が設けられてきた。
門司を詠んだ歌は多い。関所としての「通過が困難」や「行き止まり」「別れ」などを主題としているのだが、何といっても、「門司」と「文字」を掛けることによって、縁語の「ふみ」「玉草(たまぐさ)」「書く」などを用いたり、手紙を運ぶ鳥の雁を登場させたりして、雅やかな雰囲気の歌を詠み上げている。
また「筑紫(つくし)国」と「心つくし」を掛けているところも心憎い。


恋すてふもじの関守幾度か我かきつらむ心づくし 藤原顕輔(金葉集)


玉づさも都へゆかば言づてむ門司の関路を帰る雁がね 壬二集


ゆき過ぐる心はもじの関屋よりとどめぬさへぞかきみだりける 源俊頼


月の影つめる重荷の筑紫舟とどめてをみよもじの関 藤原忠通


春秋の雲居のもとどまらず誰が玉づさもじの関 西園寺実氏(新勅撰集)









そんな門司に行ってきた。



JR門司港駅



門司港から、門司レトロ灯台、関門大橋を望む。






パノラマカメラで撮った関門海峡。



















家に帰ってきてから、よくよく考えると、「文字の関公園」に行くべきだったと。
「門司関趾」の石碑があるらしい。





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