すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
守山(滋賀県守山市)
滋賀県守山市は琵琶湖の南岸に位置する。 歴史的には、琵琶湖の対岸の比叡山を「守る」という意味で「守山」となったとか、古来、野洲川ではさまざまな合戦があったとか、江戸時代には中山道の宿場町であったとか、いろいろ由緒深いが、今となっては一般的な地方都市となっている。 いやはや特に感想のない町であるが、鎌倉時代の歌人である阿仏尼が「十六夜日記」の中で、守山にちなんだ歌を詠んでいることから、捨て置くこともできず、とりあえず寄ってみた。 というか、市街地を車で通過した。 |
県道2号線を走った ![]() 滋賀銀行 守山北支店 ![]() 関西アーバン銀行 守山住宅ローンセンター ![]() 滋賀中央信金 守山支店 職業柄、金融機関ばかりに目が行ってしまい、知らないうちに守山市の市街地を抜けていた。 十六夜日記より こよひは鏡といふ所に着くべしと定めつれど、暮れはてて行き着かず。守山といふ所にとどまりぬ。ここにも、しぐれなほ慕ひ来にけり。 |
いとどなほ 袖ぬらせとや 宿りけん まなくしぐれの もる山にしも | 阿仏尼 |
けふは十六日の夜なり。いと苦しくてうち臥しぬ。 ※「(時雨)が漏る」と「守る」を掛けている。 なんと、この文章から「十六夜日記」の名前が付けられたらしい。 その他の歌 |
白露もしぐれもいたくもる山は下葉のこらず色づきにけり | 紀貫之(古今集) |
どうも守山は昔から「時雨」が「漏る」ことが風物詩であったようだ。 |