すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
本折(石川県小松市)
===== マイナーネタ =====
室町時代の僧侶、道興は京都から東国を回ったときの記録として「廻国雑記」を残している。 ブリタニカ国際大百科事典には次のように説明されている
道興は行く先々で歌を詠んでいる。 その中で加賀の国の本折の歌。 |
誰かもと、織りそめつらむ賀びを加ふる国のきぬのたてぬき | 道興准后(廻国雑記) |
加賀国の霊山である白山は、養蚕と機織の信仰の対象となっているらしい。この歌には養蚕と機織に関連した「織り」「染め」「きぬ」「たてぬき」が含まれ、地名の「本折(もとおり)」や「加賀国」もしっかりと詠み込まれていて、ちょっと技巧に走りすぎた歌であるが、おもしろい。 そんな、加賀の本折に行ってきた。 ![]() 小松市内の中心地の北国街道に沿って、現在の本折町がある。 場所柄、さまざまな由緒がありそうだが、よく分からない。 ただ、江戸時代に松尾芭蕉が奥の細道の旅で小松にやってきたとき、本折日吉神社の神主(俳号鼓蟾)に招かれて歌仙興行(山王句会)に興じている。 ![]() その本折日吉神社に行ってみた。 この参道を車で入っていくと駐車場がある。 ![]() 拝殿 ![]() 境内に、「芭蕉翁留杖の地」碑と芭蕉句碑があった。 |