すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


本折(石川県小松市)






=====  マイナーネタ  =====



室町時代の僧侶、道興は京都から東国を回ったときの記録として「廻国雑記」を残している。


ブリタニカ国際大百科事典には次のように説明されている 
(廻国雑記) 
名所,古寺の巡歴記。5巻。聖護院門跡准后道興著。長享1 (1487) 年成立。著者が文明 18 (86) 年から翌年3月までに,北陸,関東,奥州諸国を遊歴した際の紀行文。当時の地方文化や交通路などを知る好史料。


道興は行く先々で歌を詠んでいる。
その中で加賀の国の本折の歌。


誰かもと、織りそめつらむびをふるのきぬのたてぬき 道興准后(廻国雑記)


加賀国の霊山である白山は、養蚕と機織の信仰の対象となっているらしい。この歌には養蚕と機織に関連した「織り」「染め」「きぬ」「たてぬき」が含まれ、地名の「本折(もとおり)」や「加賀国」もしっかりと詠み込まれていて、ちょっと技巧に走りすぎた歌であるが、おもしろい。



そんな、加賀の本折に行ってきた。



小松市内の中心地の北国街道に沿って、現在の本折町がある。
場所柄、さまざまな由緒がありそうだが、よく分からない。

ただ、江戸時代に松尾芭蕉が奥の細道の旅で小松にやってきたとき、本折日吉神社の神主(俳号鼓蟾)に招かれて歌仙興行(山王句会)に興じている。



その本折日吉神社に行ってみた。
この参道を車で入っていくと駐車場がある。



拝殿



境内に、「芭蕉翁留杖の地」碑と芭蕉句碑があった。














前日は、本折町のすぐ近くのアパホテル<小松>に泊まりました。






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