すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
六田(奈良県大淀町)
近鉄吉野線でいえば、終点吉野駅から3つ手前の駅。 吉野川もこの辺りまで下れば川幅はかなり広くなっている。 古来、六田の地は吉野川の渡し場として栄えてきた。 柳の木が目印となり、「柳の渡し」と呼ばれてきた。 六田を歌枕とする多くの和歌に『柳』が歌い込まれている。 |
かわづ鳴く六田の川の川柳(かわやぎ)のねもころ見れど飽かぬ川かも | 万葉集 |
カエルが鳴いている六田の川柳の情景は、 じっくり見ても本当に飽きがこない川の眺めだ |
高瀬さす六田の淀の柳原みどりもふかく霞む春かな | 西園寺公経(新古今) |
みよし野やむつだのよどの川柳みどりをくくる春の岩なみ | 後鳥羽院 |
吉野川の左岸(南側)から下流方面
美吉野橋の南詰から
美吉野橋の南詰に歌碑がある
吉野川の右岸(北側)から東方面
美吉野橋が見える
現在に残る川柳の木
「柳の渡し」の石灯篭
万葉時代、明日香から峠を越えて吉野宮へ向かう行程では、吉野川を最初に目にするのはこの六田の辺りであったという。 飛鳥川とかとは全くスケールが違う吉野川のデカさに圧倒されたことだろう。 |
音に聞き目にはいまだに見ぬ吉野川 六田の淀を今日見つるかも | 万葉集 |
いやはや噂には聞いていたけど、まだ見たことなかった吉野川、今日六田に来てついに見ましたよ |