すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


長沼(宮城県登米市)




さすが宮城県、
江戸時代の伊達藩のころから藩内の景勝地を古典の歌枕として“再発見”し、一大歌枕王国となったという、文化レベルの非常に高い地域であるが、なんと瀟湘八景や近江八景で有名な○○八景も藩内にたくさん存在する『八景天国』でもあった。
松島や塩釜、名取はもちろんのこと、藩内各地で『八景』が設定されたが、現在まで伝承されている八景もあれば、人々の記憶から消えてしまった八景もある。


登米市の長沼八景は関係者によって現在に伝えられている。



長々に 照る日もあかぬ 釣小舟 いざや帰らん 入あひの鐘 長照寺の晩鐘 長沼八景
おだやかに 魚つりあげて 舟ばたを たたく嵐ぞ 仲津島波 津島の晴嵐
動ぎなき 山の御神の 御柱に くまなく照らす 秋の夜の月 山の神の秋月
見渡せば 千舟入江の 館林 いまや御滝に 帰る舟の渡 石舟戸の帰帆
夕日さす 天方遠く 影さして 早稲田にわたる 虹のかけはし 早稲田の夕照
名にしおふ 比良場の面の 夕ぐれは 花のふぶきの 雪と降るらん 比良場の暮雪
哀しける 見るまに遠く かすかなる はがたしはれて 落つるかりがね 羽雁の落雁
秋葉山 紅葉のながめ 晴れぬ夜も 雲とたなびく 松の浮嶋 秋葉山の夜雨


正直なところ、この日、初めて長沼を訪問したばかりで、しかも、レンタカーのカーナビで誘導されてきたので、長沼がどんなところなのか、その周りがどんな光景なのか、まったく何が何だか分からない状況であった。
このため八景といっても全然イメージが湧かなかった。
地元では、八景の一つ一つに、該当の場所を特定して案内板を立てているようだ。けれども八景すべてを回ったら半日ぐらいはかかるだろう。そんな余裕のある旅をしてみたい。







長沼について
長沼はもともと天然の沼だったが、北上川支流の迫川の洪水調節を目的として長沼ダムが建設された。
ダム湖にはボート競技場が整備されている。一時期、小池都知事がオリンピックのボート競技を宮城県で開催するとか言って、視察に行ったのはココ。




長沼フートピア公園

遠くに長沼のダム湖が見える。



湖面の構造物はボート競技のもの



こんな感じの公園で、市民の憩いの場となっていた。








これ以上、書くことがない。











それにしても、「比良場の暮雪」のネーミングは爆笑!






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