すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
滋賀県野洲市の長澤神社に行ってきた。 いろいろと由緒のある境内の散策はとても楽しかった。 この辺り、もともとは野洲川の氾濫原で、そこに湧水の豊富な長沢池があった。 池には菖蒲が咲き誇り、歌に詠まれる景勝地であった。 しかし野洲川の堤防工事や流路の改修により池の湧水が途絶え、干上がってしまった。 平成の世になって、長澤神社の境内に長沢の池が再現されることになり、史跡として整備されたもの。 ■ 先ずは歌の紹介 |
長沢の池のあやめを尋ねてそ 千代のためしにひくべかりける | 藤原俊成 |
君が代の長きためしに長澤の 池の菖蒲は今日ぞ引かるゝ | 藤原俊光 |
年ごとにたえず引くなりあやめ草 ねも長澤の池を尋ねて | 藤原顕昭 |
長沢の池の底なる亀までも |
大中臣能宣 |
■ 現地へ訪問![]() これが社頭 ![]() 拝殿 ![]() これは本社 境内、社殿はよく整備されていて心が洗われる ![]() そしてこれが再現された長沢の池 こちらの池の湧水も枯れたのか、訪問が真冬だったためか、池の水はなかった、残念 ![]() 梅ヶ咲いていた ![]() 境内の案内図 「和歌の歌枕地名大辞典」によると、長沢の池の候補地は二ヵ所。ここと米原市長沢。米原市の方は現地熊野神社が長沢集落の総社であり、境内に池がある。 けれども、ここ、野洲の長澤神社には上掲のとおり歌碑が設置されている。歌碑の設置はポイントが高いと思う。 |