すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


長洲(兵庫県尼崎市)

JR尼崎駅と阪神電車尼崎駅の中間地点あたりの地域の町名は「長洲」。昔の海岸線はこの辺りにあり、多分神崎川の河口の「長い砂州」がここまで伸びていたのだろうか。
古来この「長洲」は摂津の歌枕の地とされていた。

と言っても、現在では地元の人を含めてどのくらいの人が尼崎の長洲が和歌の歌枕の地だったと知っているのか?




人知れず落つる涙は津の国ながすと見えで袖ぞ朽ちぬる 拾遺和歌集




 長洲を訪ねてみた。
 まずはJR尼崎駅から長洲のある南方向を望む。

       
 
 昔、尼崎は「公害の町」として有名であったが、来てみたら普通の町であった。公害地域は臨海部の工場地帯のことなのかな。それとも解決済みなのかな。


       
       
 本当に平凡な町で、もしこの日が桜の咲き始めの時期でなかったら、ほとんど写真を撮らなかったのではないかな。

       

 桜並木があった。


       

 「長洲」が歌枕の地であったとして、それにちなむ何か歌碑か石碑か松の木か神社かないものかな、と思って探したが、どうも見つからなかった。

              
              町名の案内板に「長洲」

         
                  交番も「長洲」




万代を我にゆづるか声たえずながすの浜になきわたるらむ 相模集
万代の長寿を私に譲ろうとして(鶴の)鳴き声が絶えず長洲の浜に鳴いているのだろう。





ちなみに、『歌枕歌ことば辞典』(笠間書店)でも「長洲の浜」として掲載されている。「流す」や「長い」の言葉に掛けると説明されている。





       

 









なんか、一般的な街並みでした。





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