すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


奈良山(奈良市)




今から書こうとしている「奈良山」について、WIKIPEDIAで素晴らしい概要説明がなされていた。

 平城山丘陵
平城山丘陵(ならやまきゅうりょう)は、奈良県奈良市と京都府木津川市の県境を東西に延びる丘陵。また、西部を佐紀丘陵、東部を佐保丘陵と独立して呼ぶことがある。
平城山は多くの別表記を持つ。古綴では、平城山の他に那羅山、平山があり、さらに奈良山、乃楽山とも。国境にあったことから手向山ともいった
奈良の地名の語源の一とされる。

この丘陵は奈良盆地と京都盆地に接し、古くは大和から京都へ行く際は、奈良時代は西の歌姫越、平安時代以降は東の般若寺越が使われ、ともに奈良坂とも呼ばれた。万葉集では小松、峰の黄葉、霧、黒木、鳥、児手柏などが題材として詠まれ、八雲御抄には大和の名所として、五代集歌枕には山城の名所として挙げられている。
(WIKIPEDIA「平城山丘陵」)

 ・・・・・・まあ、これに尽くされてる。







そんなこんなで、今回の歌枕である奈良山の歌姫峠にある添御縣坐神社(奈良市歌姫町999)に行ってきた。


奈良山の丘陵を、奈良から京都へ超える峠は二つある。
平城京の大極殿跡をまっすぐ北上した峠道が「歌姫越え」、東大寺転害門の前から北上する峠道を「奈良坂」という。
古代に「歌姫越え」が拓かれ、中世からは「奈良坂」が一般的になった。
万葉集の時代は「歌姫越え」がよく利用されたようだ。



参道入口は「歌姫越え」の峠道から入る。
峠という場所柄、駐車場がとても不便な場所にある。冷や汗ものだった。



それにしても「歌姫」っていい名前。



峠の様子。
道は細いのに、結構な車の通行量があり、地元の人も大変だろう。











ここは国境の峠なので、古来なにかと和歌が詠まれてきたようだ。


佐保過ぎて 奈良手向に 置く幣ぬさは 妹を目離めかれず 相見しめとそ 万葉集


添御縣坐神社の境内に歌碑




このたびは幣もとりあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに 菅原道真(百人一首)


添御縣坐神社の境内に歌碑





どちらも旅の安全を祈願した歌のようだ。

※菅原道真の歌の方は東大寺の奥の手向山にも歌碑があった。百人一首の歌なので、ゆかりの地としていろんな所が名乗りあげているのだろう。




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もう一度整理しておくと、
今回訪問したのは「歌姫峠」の「奈良山」で、Wikipediaの「平城山(ならやま)丘陵」の西側の峠道
東側には「般若寺」の前を通る「奈良坂」がある。
これらは行政区分としての「奈良」」とはまた違う。
・・・人によって考え方は微妙に違うようだが










駐車場から出るときは、交通量の多い道へバックで出ていくので
本当に怖かったです。





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