すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


鳴尾(なるお)(兵庫県西宮市)

古来、沖合を通過する船が岸の目印とした松が鳴尾浜にあって、「鳴尾の一本松」として都人にも知られていた。

今回、この「鳴尾の一本松」を見学に行った。

とは言え、いろんな情報を集めても「西宮市里中町の住宅街の中にある」とばかりで、具体的な場所の説明がなかった。

行けば何とかなるだろうと思って行ってみた。
住宅街の真ん中にあった地元の公園の中を隈なく探してみたが、何もなく、そのあと車で街中をうろうろ探し回った末に、ようやく行き着いた。





本当に分かりづらいところにあった。
「一本松公園」という公園らしい。

   



古い石碑があったが、まったく読めなかった。



常よりも秋になる尾の松風は分きて身にしむ物にぞありける 西行(新拾遺)


我身こそ鳴尾にたてる一つ松よくもあしくも又たぐひなし 慈鎮(拾玉)


浦さびて哀れなるをの泊かな松風をえて千鳥鳴くなり 隆西法師(夫木)


けふこそは都のかたの山のはもみえずなるをの沖に出でぬれ 權大納言実家(千載)


明日よりも恋しくならば鳴尾なる松の根ごとに思ひおこさん 源俊頼




高度成長期、鳴尾浜は埋め立てられ、武庫川団地が建てられた。






 










経緯度  34.719604, 135.373182






それなりに満足のいく訪問でした。







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