すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
古来、沖合を通過する船が岸の目印とした松が鳴尾浜にあって、「鳴尾の一本松」として都人にも知られていた。 今回、この「鳴尾の一本松」を見学に行った。 とは言え、いろんな情報を集めても「西宮市里中町の住宅街の中にある」とばかりで、具体的な場所の説明がなかった。 行けば何とかなるだろうと思って行ってみた。 住宅街の真ん中にあった地元の公園の中を隈なく探してみたが、何もなく、そのあと車で街中をうろうろ探し回った末に、ようやく行き着いた。 ![]() 本当に分かりづらいところにあった。 「一本松公園」という公園らしい。 ![]() ![]() 古い石碑があったが、まったく読めなかった。 |
常よりも秋になる尾の松風は分きて身にしむ物にぞありける | 西行(新拾遺) |
我身こそ鳴尾にたてる一つ松よくもあしくも又たぐひなし | 慈鎮(拾玉) |
浦さびて哀れなるをの泊かな松風をえて千鳥鳴くなり | 隆西法師(夫木) |
けふこそは都のかたの山のはもみえずなるをの沖に出でぬれ | 權大納言実家(千載) |
明日よりも恋しくならば鳴尾なる松の根ごとに思ひおこさん | 源俊頼 |
高度成長期、鳴尾浜は埋め立てられ、武庫川団地が建てられた。![]() |