婦負川（富山県富山市）

婦負（ねい）川とは、富山県の代表的な河川である神通川の古称。

驚いたのは、パソコンの漢字変換で「ねい」と入力したら「婦負」が一発目に出てきたこと。

昔の越中国には婦負郡があったようで、どうやら富山県の相当古い地名のようだ。

その神通川であるが、訪問したのは連日季節外れの大雨が続いていた時期だったので、そこそこの水量があった。

富山大橋から上流方向を望む

井田川との合流部分

富山大橋
富山地方鉄道の軌道も敷設されている。

神通大橋

えーとこれは、北陸新幹線の神通川橋梁

六十余州名所図会　「越中富山舟橋」
国立国会図書館

昔は舟をつないで板を敷いた舟橋だった。

さて、富山大橋の西詰に「神通川の歴史」の案内板があった。
とても興味深い内容であった。

もともと蛇行していた川を直進させたらしい。

Ｙａｈｏｏ！知恵袋に素晴らしい説明文があったので転載する。

かつての神通川は、富山の街の中を東に大きく蛇行していた。戦国時代には神通川のすぐ脇に富山城が築城され天然の堀として利用された。しかし蛇行部分でたびたび水害が発生していたため、明治時代に、蛇行部分を短絡する分流路を作り、一定量を超える洪水は、新たに造った分流路（馳越線）に流れるようにした。しかし、洪水の度に、馳越線の方が本流のようになり、本来の本流には水が流れないようになってきた。そこで、馳越線を改めて本流とした。旧来の本流は松川と名を改め、水が流れなくなった部分には1930年から建設が始まった富岩運河から出た大量の土砂で埋立て川幅を狭め、埋立地に県庁、市役所などの施設が建設された。
（mgdby254さん）

こんな神通川、旧名婦負川を詠んだ歌が万葉集にある

婦負川の早き瀬ごとに篝さし八十伴の男は鵜川立ちけり	大伴家持（万葉集）
婦負川の流れのはやい瀬ごとに、かがり火をたいて、たくさんの官人たちが鵜飼を楽しんでいる。（越中万葉をたどる／高岡市万葉歴史館）

鵜坂神社（富山市婦中町鵜坂）に歌碑