すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


寝覚の里(名古屋市熱田区)



江戸時代の旅行案内書『東海道名所図会』、
「寝覚の里」は次のように紹介されている。

寝 覚 里
 宮駅、浜の鳥居の東をいうとなり。
 一説に美濃国。


このように、東海道の熱田宿(宮宿)や七里の渡し(浜の鳥居)の東側のこととされている。
一説に美濃国とも付言されているが、現在では愛知県東海市の名和周辺も候補地とされ、「寝覚之里公園」があり、石碑もあるらしい。しかも日本武尊が干潟に打ち寄せてくる波音で寝覚めた、というエピソードもあって、個人的には東海市のほうが興味ある。

とりあえず、七里の渡しへの訪問の際に、寝覚の里を探してみた。

「浜の鳥居」があったあたりから東を望んできた。


七里の渡し跡



「宮の渡し公園」が整備されている。
「七里の渡し」の『七里』とは、渡し船の目的地の桑名までの距離が七里であったこと。
「宮の渡し」の『宮』とは宮宿(熱田宿)の宮。
公園から東方向を写す。



これも。とにかくこの方面に寝覚の里があったらしい。



とにかくこの辺は宿場町と渡し船それに熱田神宮とで、江戸時代は大混雑していたのだろう。






  東海道名所図会。
 右下の赤線で囲んだところ。
 先には「松風里」「師長公配所」「鳴海浜」がある。












風の音におどろかされてわぎも子がねざめの里に衣うつなり 伊勢大輔(夫木抄)

あづま路のね覚めの里は初秋の長き夜ひとり明す我かも 凡河内躬恒


<和歌の感想>
平安時代〜鎌倉時代の「寝覚の里」はさみしいところだったのだろう。





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東海市の寝覚の里にも行ってみたいと思いました。




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