すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


新田の糸桜(三重県伊賀市)




「新田」は「しんでん」とよむらしい。


「新田の糸桜」は、本居宣長が仲間たちと大和の吉野山へ観光ツアーに行った時の記録、「菅笠日記」に登場する。

旅行の二日目、前日は雨であったがこの日は曇りで、気分良く歩いていたところ、新田の里で見事な糸桜が咲いていたという。

糸桜くるしき旅も忘れけり 立よりて見る花の木陰に 本居宣長(菅笠日記)
素晴らしい糸桜をみて、その花の木陰でくるしき旅も忘れるようです
(訳:諏訪邦夫) 


名張市新田の初瀬街道沿いに歌碑


糸桜とは枝垂れ桜のことらしい。



まあ、なんと言うか、たまたま本居宣長がここを通って、枝垂れ桜を見て、感動し、和歌を詠んで著書に記したことから、ここの桜が有名になったもの。現在、立派な歌碑が建っている。


ここに晩秋11月下旬に行ってきたが、当然ながら桜の花は咲いてなく、葉桜というか、落ち葉の季節であった。



歌碑の後ろの桜の木が、本居宣長が感動した糸桜!

まあ、桜は早く成長し、早く枯れるらしいので、当時の桜は残っていないのは分かっていたが、ちょっと残念な光景であった。



新田付近の初瀬街道。



これも



近鉄特急が疾走していた。












そもそも桜の名所に11月に行ったのがよくありませんでした。





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