すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


野寺(のでら)(かね)(埼玉県新座市)








2024年の夏の歌枕探訪の旅は、、軽井沢から群馬県に入り、栃木県を経て埼玉県へ至り、最終日は川越市からスタートし朝霞市、新座市から所沢市へと向かい、首都圏中央連絡自動車道に乗って大阪へ帰った。

その旅程をFacebookに投稿したところ、東京に住む知人から「すぐ近くに住んでいます、連絡もらったら会えたのに」とのメッセージがあった。

その知人は東京都の練馬区に住んでいるとのこと。新座市は生活圏内らしい。

地図をよく見ると、たしかに新座市から東京は近い(というか隣)。今回は北関東エリアに絞って訪問計画を立てたため、東京の存在を意識しなかった。

そんなに近いのなら、予て訪問したいと思っていた立野牧旧跡(練馬区)にも足を伸ばしたらよかった。残念。

上記、どうでもいい話(終わり)















武蔵野野寺の鐘の聲聞けば遠近(をちこち)人ぞ道いそぐらん 在原業平


満行寺に歌碑


はるばると思ひこそやれ武蔵野ほりかねの井野寺あるてふ 紀貫之


音に聞く野寺を問へばあと古りて答ふるもなき夕べかな 道興准后





歌に詠まれている野寺は現在新座市にある満行寺のこと。
野寺の鐘は数奇な運命をたどっている。
戦乱の世、野寺の和尚は、兵火から鐘を守るために池の中に埋めた。
その後、池は埋まって畑になり、畑から野寺の鐘が発見された。
その鐘が現存しているという。


とりあえず現地へ行ってきた。





満行寺、山門の手前に在原業平の歌碑



満行寺山門



そしてこれが音に聞く野寺の鐘



客殿と鐘楼堂
寺は写真右手にある幼稚園に隣接しているが、この日幼稚園は休園だった













え〜、野寺を詠んだ歌は、江戸時代の好事家
による代作だろうと言われています。
まあ、たぶん、そうでしょう。





copyright(C)2012 すさまじきもの〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜 all rights reserved.