すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


能地(のうじ)の瀬戸(広島県三原市)







浮鯛伝説


文章にまとめられないので、摘記すると、

・場所は広島県三原市の能地の瀬戸、時は春

・神功皇后が三韓征伐に向かう途上、船の周りに多くの鯛が寄ってきた

・幸先が良いので神功皇后が酒を振る舞うと、鯛が酔って浮かび上がった

・以来、毎年同じ季節になると鯛が海面に浮かび、土地の漁民は網ですくって漁獲した

・この浮鯛現象は科学的に説明されている

・春先、産卵のために瀬戸内海に戻ってきた鯛が、大潮の満潮時、狭い海峡の急激な海流で体内の浮き袋が調節できなくなるという

・地元では春の風物詩になっていると




春来ればあちかた海の一かたに 浮くてふ魚の名こそ惜しけれ 浮鯛抄


海の面霞のうちに色はえて うくてふ魚やなみのはつはな 少将隆房


水底に 酒瓶ありと 聞くからに 浮きたいよりは こちゃ沈みたい 菅茶山










■ 現地訪問



三原市辛崎の海岸から南方を眺望
向こうに高根島、この海峡が能地の瀬戸
この海で浮鯛現象が起こるようだが、近年は鯛の個体数が少なくなって、なかなか見られないようだ



唐崎の海岸から西方向、今治造船の広島工場のクレーンが見える


今治造船広島工場



工場から道を挟んだ北側に浮鯛神社があった
つまり工場ができるまでは海に面していた



社殿、朽ち果てていた



となりから撮影
どこかに移転したのか、どうなのか














浮鯛伝承にはもっともっと深い内容があるのですが、
これで終わります





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