すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


布引山(三重県伊賀市)




現在の「布引山地」とは
「三重県中部を南北に連なる山塊の総称である。標高は600-900m前後、比較的平坦で穏やかなピークが連なっており最高峰は南部に位置する大洞山(標高985m)である。上野盆地と伊勢平野を隔てており、北は鈴鹿山脈、南は高見山地に接する。」(WIKIPEDIA)

1772年春、伊勢国松阪の国学者、本居宣長は知人とともに大和の国へ物見遊山の旅に出かけた。
松阪から初瀬街道を西に向かって歩きだした一行は、伊勢国と伊賀国の間に横たわる布引山を越えていく。
現在の国道165号が通るルートであり、国道は長大なトンネルで一挙に通り抜けていくが、初瀬街道は標高500メートルを超える阿保峠(現在の青山峠)を越えて伊賀国に入っていく。

本居宣長一行は大雨の中、厳しい峠道を越えて行ったが、歩いても歩いても道は果てしなく続き、日も暮れてきて心細い中ようやく宿泊地に到着している。

次の日、本居宣長は昨日越えてきた布引山を、伊賀盆地から振り返って次の歌を詠んだ。

このごろの雨にあらひてめづらしく けふはほしたる布引の山 本居宣長(菅笠日記)
このところ毎日雨ですが、今日は珍しく雨が上がってあの布引山も布を乾しているようです
(訳:諏訪邦夫)


「布引」って神戸の「布引の滝」が有名で、“布を引いたような滝”ということらしいが、「布引山」も同じような謂れがあったのだろう。











布引山、現在の青山高原に行ってきた。


津市側から撮影。
写真の中央の民家の上の薄い山影あたりが青山高原か。



国道165号線を津市からトンネルを越えたところ。



これは「青山高原道路」
青山山地の稜線を南北に通る。



う〜ん、頂上というか、稜線というか、布引山を「接写」!



と、見ると、別荘の開発地域に立派な石碑が!!

すわ、布引山を詠んだ万葉歌でもあったのか!と心は高鳴ったが、別荘地の「サニーヴィラ公園」の“石碑”であった。













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