すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


小浜(福井県小浜市)





歴代のNHK朝ドラの中で一番良かったのは2007年に放映された「ちりとてちん」だったと思う。

マイナス思考のヒロインが若狭小浜から大阪に出て上方落語にはまり落語家を目指すというストーリー。

ヒロインの実家は若狭塗箸の工房。地元の友達の家は焼き鯖販売店だったり、JR小浜線や小浜駅が登場したり、とても小浜チックなドラマであった。

ヒロイン喜代美たちの落語の常打ち小屋「ひぐらし亭」が小浜に再現されているらしく、訪問。


ひぐらし亭。はまかぜプラザという場所。(小浜市小浜酒井7-1)



実は、小浜では6ヶ所の訪問を予定していた。
@山川登美子記念館(小浜市千種1-10-7)
A小浜公園(山川登美子の歌碑あり/小浜市小浜香取)
B小浜市中央公園(梅田雲浜の立像あり/ 小浜市大手町1-1)
C若狭フィッシャーマンズ・ワーフ(焼き鯖/小浜市川崎1-3-2)
Dオバマ大統領の胸像(小浜市小浜白鬚113)
Eひぐらし亭

ところが、その日は朝から滋賀県の朽木、高島、塩津、福井県敦賀を回ってきたので、予定時刻からかなり遅れて小浜に着いた。
このため訪問先を絞った結果、B小浜市中央公園とEひぐらし亭 になった次第。



そのような経緯でB小浜市中央公園へ訪問

実に立派な梅田雲浜の立像があった。
梅田雲浜は幕末の小浜藩士、安政の大獄で処刑。かつて小浜海岸を雲浜と美称したことから号とした。

梅田雲浜の辞世

君が代をおもふ心の一筋に 我が身ありとも思はざりけり 梅田雲浜













残念ながら今回行けなかった山川登美子記念館。
山川登美子は与謝野鉄幹を巡って与謝野晶子と共に争ったが、敗れて故郷に帰り地元の人と結婚した。
それが、結婚後すぐに夫が病気になり死別。
山川登美子は東京に出て学業に励むが、夫からうつされた病気で死ぬことになる。


かわいそうだが、昔は若い人が不治の病で死ぬことも多かった。


君なきか若狭の登美子しら玉のあたら君さえ砕けはつるか 与謝野鉄幹
わが為に路ぎよめせし二少女 一人は在りて一人天翔ける 与謝野鉄幹
若狭路の春の夕ぐれ風吹けば にほへる君も花の如散る 与謝野鉄幹
それとなく紅き花みな友にゆづり そむきて泣きて忘れ草つむ 山川登美子
髪なかき少女とうまれしろ百合に 額は伏せつゝ君をこそ思へ 山川登美子
いく尋のなみはほをこすくもにゑみ 北國人とうたはれにけり 山川登美子

父君に召されていなむとこしへの 春あたゝかき蓬莱のしま 山川登美子
辞世
















その他の小浜を詠んだ歌



はるかにもおもほゆるかな雲のはま天河原に行やかよへる 藻鹽草五水邊
小浜城は雲浜城という



吹くとしもなき春風を追手にて うまし小浜に舟競ふなり 伴信友
小浜出身の幕末の国学者
























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