すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
この山は小鹿野の町も見へずして太古の層に白百合の咲く | 保阪嘉内 |
さはやかに半月かゝる薄明の秩父の峡のかへり道かな | 宮沢賢治 |
宮沢賢治は幼少の頃から鉱物採集に熱中する地学マニアであった。 宮沢賢治の作品には多くの鉱物が登場し、また地学的な知見に基づく表現がなされたりしている。 そんな宮沢賢治は、盛岡高等農林学校の2年の時に、埼玉県秩父へ地学巡検(フィールドトリップ)でやってきた。 その頃の秩父地域は、長瀞の岩畳や1500万年前の露頭の「ようばけ」を代表に、日本列島形成における重要な地質資源を観察できる場所として、地質学者の注目を集めていた。 「我が国の地質学者が一生に必ず一度は行きて見るべき」と紹介され、地学の愛好家にとって地学巡検の聖地であった。 私も若い頃は地学マニアで、よく自宅近くの和泉層群に化石を探しに行ったので、地学の聖地である秩父の地質には本当に興味があったが、今回は歌枕巡礼の旅であり、ほぼスルーしてしまった。 ![]() おがの化石館もスルー 建物の裏に設置されている歌碑を撮影しただけ ![]() 1500年前の大露頭「ようばけ」、国の天然記念物 化石館から見える 宮沢賢治も小鹿野に宿泊して赤平川を見学している ![]() 現在では「秩父ジオパーク」に指定されている なお、宮沢賢治の地学巡検には山梨県出身の一年後輩の保阪嘉内も同行しており、宮沢賢治同様に歌を詠んでいる。 |