すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


お初天神(大阪市北区)



前職の仲間たちと7年ぶりに再会し、当方の「おいしい日本酒を飲める店」のリクエストで連れて行ってもらったのがお初天神の北門にあるお初天神ビル2階の酒処「一季」。
出てきた料理は全部おいしかったし、酒も日本全国の美酒を集め、どんどんと杯が進んだ。
ここに連れてきていただいたS先輩に感謝。

      
          日本酒・焼酎処 酒肴旬菜 『一季』


          
               『一季』のリンク


日本酒好き、美食家にお薦めの店です。













実はこの宴会の4日前の昼間にお初天神を訪問していた。


南門
オフィス街の中にあり、この参道は通勤経路に利用されている。




東門の参道。
飲み屋が軒を連ねている。
夜はいい感じなのだろう。




近松門左衛門の人形浄瑠璃『曽根崎心中』の聖地
二人はこの地で情死した。
もともと「露天神社」という名称であったが、
ヒロイン『お初』の名前にちなんで
「お初天神」と呼ばれるようになった。




お初と徳兵衛の像




ゆかりの地の石碑があった




ここは「恋人の聖地」である




ここの絵馬はいいかんじ。




拝殿




北門。ビルの間を入って行く。




神社を出ると御堂筋。
阪急百貨店を望む。




と散る涙に袖は朽ちにけり 都のことを思い出ずれば 菅原道真

都を追われた菅原道真がこの地で詠んだ歌。
この歌から露天神社の名が称せられるようになったらしい。






「お初」キャラが商店街の入り口にあった。















2021年12月26日、年末の日曜日、NHKの番組「古典芸能への招待」で『京の師走、顔見世歌舞伎』で曽根崎心中が放送された。
京都、南座の華やかな顔見世の舞台であった。
徳兵衛は中村鴈治郎が演じた。
朝ドラ「おちょやん」の鶴亀株式会社の大山社長を演じていた中村鴈治郎と全く違ったキャラで、戸惑った。



【中之巻】

天満屋に徳兵衛が忍んでやってくる。
お初は徳兵衛を縁の下に隠す。




九平次が徳兵衛の悪口を言いふらすのを聞いて、徳兵衛はおはつの足を首にあてて、死ぬ覚悟を伝える。


いやはや、名場面である。


おはつと徳兵衛は深夜二人で脱出する。





【下之巻】

天神の森についた二人。
徳兵衛はおはつの喉に脇差しを突き刺し、自分は剃刀で喉を刺して死ぬ。


「此の世のなごり、夜もなごり、死に行く身をたとふれば、あだしが原の道の霜、一足づゝに消えて行く」

「七つの時が六つ鳴りて 残る一つが今生の 鐘の響きの聞き納め」

「南無阿弥陀仏を迎へにて、哀れこの世の暇乞。長き夢路を曾根崎の、森の雫と散りにけり」

「未来成仏うたがひなき恋の手本となりにけり」




いやはや、感動の名場面である。

尚、二人がたどり着いた天神の森というのが現在のお初天神の場所である。

つまり、二人が情死したのがお初天神にあった森の中で、それゆえ恋人の聖地となったもの。


       

 







冒頭に紹介した酒処「一季」はなかなか予約が取れませんが、
ぜひ行ってください。





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