大滝（奈良県川上村）

吉野川をさかのぼり、大滝ダムに行ってきました。
大滝ダムは2012年竣工、堤高100Mの堂々たる重力式コンクリートダムです。
ダムの完成までに、何かといろいろな不幸な出来事が起こり、計画から供用開始まで50年もかかったという有名なダムです。
計画発表と同時に村を挙げての激しい反対運動が起こり、補償問題でこじれ、水没地にあった丹生川上神社の敷地からは縄文時代の遺跡が見つかり発掘作業に3年を要し、ダムが完成したあとの試験湛水中に地滑りの亀裂が見つかり試験を中止して地区住民が移転するという、大変な騒動が続きました。

初冬の日に見学に訪れましたが、雪の舞う日だったためか、他に誰も見学している人はいませんでした。

桜の季節が良いとのこと

ダム湖は「おおたき龍神湖」というらしい。

ダムの天端から下流を望む

100メートルの高さがあります

ダム好きにはたまらない！
油圧式クレストゲートを日本で初採用。圧巻です。
この結果、天端もすっきり。
（クレストゲート・・・洪水時にあふれさせないため、非常用に
水を流すゲート）

地面に亀裂が入り、地滑りの危険性から全戸移転となった白屋地区。

ダム湖にかかるＰＣ斜長橋、「白屋橋」。169号線と白屋地区を結ぶ橋であるが、前述のように白屋地区が移転したため、現在はほとんど通行する車がない。

大滝を過ぎて夏身に近づきて清き川瀬を見るがさやけさ	万葉集
大滝を過ぎ、菜摘に近づいていくと、吉野川の清い川瀬はすがすがしい眺めだ

これは「大滝」から「菜摘」へ吉野川を北へ下っていくイメージ。
ただし「大滝」を地名ではなく、一般名詞の「大きな滝」とみる考え方もある。この場合「大きな滝」は「宮滝」と考えられ、吉野川をさかのぼることになる。