すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
昔から結構メジャーな歌枕の地。 奥石神社は延喜式内社として古くからこの地に鎮座していた。 中仙道沿いに大鳥居があり、参道は杉の大木を中心とした厳かな雰囲気の鎮守の森に入り、さらに進むと豪壮で優美な拝殿と本殿が現れる。 昔から中仙道の名所として、多くの旅人たちが訪れた。 【 奥石神社の参道 玉砂利が敷かれた境内の中央に拝殿。 拝殿の後ろにある本殿は国の重要文化財。 さて、往古の老蘇の森は現在の数倍の広さがあったらしいが、時代とともに縮小されていき、近代になってからは国道と東海道新幹線が森の中を貫通して建設されたため、老蘇の森は南北に分断されてしまった。 ここが分断箇所。手前に国道があり、奥に新幹線が走る。 こんな時に限って新幹線がやってこなかった。 次に、少し離れたところから老蘇の森と新幹線を撮影。 Google Photo で写真を重ねたものを無理やり貼り付けたが、ちゃんと動作しているのかな? |
東路(あづまぢ)の思ひ出にせんほととぎす老蘇の森の夜半の一声 | 大江公資(後拾遺和歌集) |
わすれにし人をぞさらにあふみなるおいそのもりとおもひいでつる | 古今和歌六帖 |
変わりゆく鏡の影をみるからに老蘇の森の嘆きをぞする | 金葉和歌集 |
夜半ならば おいそのもりの郭公 今もなかまし 忍び音のころ | 本居宣長 |
きえねたゞ 老曽の森の 秋風も 心にかよふ 袖の上の露 | 太田道灌 |
身のよそに いつまでか見む東路の おいそのもりに ふれる白雪 | 賀茂真淵 |
※ 「歌枕歌ことば辞典」(笠間書院)によると、 老蘇の森の歌では、「ほととぎす」がよく詠まれたと。 また「老い」と掛詞にして我が身にたとえた表現が多く、 その縁で、「霜」「白雪」(白髪を暗示)、「年」などを詠み込んだ。 |