すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


小治田(奈良県明日香村)


「オハリダ」と読み「小墾田」とも書く。
歴史学的には有名な地名で、推古朝の時代に「小墾田宮」を造営したと日本書紀に記されているようだ。
ただし現在は「小治田」「小墾田」の地名は残っていない。
小墾田宮の場所については近年の発掘調査の成果から、雷丘の東側にあったとされている。


と言って、発掘が終わったあとは埋め戻されたようで、現在は畑になっていて、畑の写真になってしまった。



雷丘あたりから東南東方面を望む。
畑だらけである。

  
  左が北。上の写真を撮ったところにあった案内図。
  これだけではよくわからない。

山田道から西方向
遠くに畝傍山がある。

写真の善し悪しもあるが、とにかく畑だらけなのでどうしようもない。





小治田ゆかりの万葉歌


小治田板田の橋の壊れなば桁より行かむな恋ひそ我妹 万葉集
小治田にある板田の橋がl壊れていれば、橋の桁をつたって逢いにいくので、
そんなに恋に狂わないで、いとしい人よ
どうも変な訳になった





この万葉集の恋ネタの歌が平安時代に歌い継がれている。
キーワードは小治田にあった「板田の橋」である。
朽ち果てた「板田の橋」を渡って行って恋を成就させよう!というノリ。


をばただ板田の橋のこぼれなば桁よりいかむ恋ふなわぎも子 古今六帖



朽ち残る板田の橋もかよふなりたえにし中を何にかけまし 新続古今



人ゆかぬ道ならなくになにしかも板田の橋のふみかえすらむ 和泉式部


「板田の橋」が一人歩きしているが、いったいどんな橋だったのか興味が尽きない。










う〜ん、マイナー歌枕の地の極めつけのような場所でした。






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