すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
小治田(奈良県明日香村)
「オハリダ」と読み「小墾田」とも書く。 歴史学的には有名な地名で、推古朝の時代に「小墾田宮」を造営したと日本書紀に記されているようだ。 ただし現在は「小治田」「小墾田」の地名は残っていない。 小墾田宮の場所については近年の発掘調査の成果から、雷丘の東側にあったとされている。 と言って、発掘が終わったあとは埋め戻されたようで、現在は畑になっていて、畑の写真になってしまった。 ![]() 雷丘あたりから東南東方面を望む。 畑だらけである。 ![]() 左が北。上の写真を撮ったところにあった案内図。 これだけではよくわからない。 ![]() 遠くに畝傍山がある。 写真の善し悪しもあるが、とにかく畑だらけなのでどうしようもない。 小治田ゆかりの万葉歌 |
小治田の板田の橋の壊れなば桁より行かむな恋ひそ我妹 | 万葉集 |
小治田にある板田の橋がl壊れていれば、橋の桁をつたって逢いにいくので、 そんなに恋に狂わないで、いとしい人よ |
この万葉集の恋ネタの歌が平安時代に歌い継がれている。 キーワードは小治田にあった「板田の橋」である。 朽ち果てた「板田の橋」を渡って行って恋を成就させよう!というノリ。 |
をばただの板田の橋のこぼれなば桁よりいかむ恋ふなわぎも子 | 古今六帖 |
朽ち残る板田の橋もかよふなりたえにし中を何にかけまし | 新続古今 |
人ゆかぬ道ならなくになにしかも板田の橋のふみかえすらむ | 和泉式部 |
「板田の橋」が一人歩きしているが、いったいどんな橋だったのか興味が尽きない。 |