すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
岡部(静岡県藤枝市)
岡部と言えば、東海道の宿場町の岡部宿であるが、古典文学的にはどうってことない。 東海道中膝栗毛では岡部の豆腐で登場するが、これもどうってことない。 小野小町の「姿見の橋」もあるが、どうもな〜。 宿場町が再現されているが、あんまり興味ない。 こんな中で私を惹きつけたのは、西行「笠掛の松」であった。 岡部宿の東の端にあった。 ![]() これが目印。 ![]() 「笠掛松西住法師墓」入口とある。 ![]() こんな感じで迷うことなくいけるのだが、 ![]() なんと、お目当ての笠掛松は、山の上にあるらしい。 いろいろ考えたが、山登りはしないこととした。 連日の強行軍でちょっと体調が悪かった。 ![]() これが案内板にあった昔の笠掛松の写真 現在は代替わりしていて、この写真の松は根っこ部分だけが残っているらしい。 |
西へ行く雨夜の月や、あみだ笠、影を岡部の松に残して | 西行 |
西行の弟子であった西住は、旅の途中、志太郡岡部で病死した。西住を葬った塚の傍らの松に掛けた笠には、西行の歌が記してあったという。 岡部宿の街道風景 ![]() 宿場町の風景を撮ったつもりが、ちょっとおかしい写真になってしまった。 まあ、それなりに観光できそうな感じであった。 歌枕の岡部 |
身のうさのまた友もなきたぐひ哉をかべの里の松の一もと | 宗尊親王(歌枕名寄) | |
夕日さすけしきもさびし松たてるをかべのさとは山陰にして | 冷泉為相(海道百首) | |
これぞこのたのむ木のもと岡辺なる松のあらしよ心してふけ | 東関紀行 |
今、気付いたが、岡辺の歌のどれも「松」を題材として詠っている。 もともと岡辺の松が有名だったのか、西住のことがあって岡部と松が組み合わされたのか。 どうなのかな。 |