すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


沖の石(宮城県多賀城市)




とりあえず教育委員会の説明文

市指定文化財
 沖の井(沖の石)

 沖の井(沖の石)は、古来歌に詠まれた歌枕であり、今もって池の中の奇石は磊磊とした姿をとどめており、古の情景を伝えています。
 江戸時代の元禄二年五月八日「おくのほそ道」の旅の途上、松尾芭蕉と同行者の曽良は、この地を訪れました。
 また、四代藩主伊達綱村の時代には、仙台藩により名所整備が行われ、手厚い保護を受けていたことが知られています。
          平成十一年十二月十日
          多賀城市教育委員会

  



数ある和歌の歌枕の中でも、百人一首の歌枕はやはり重みが違うし、期待度も高まる。
「沖の石」も期待に違わず、感動的な訪問になった。



これが「沖の石」
住宅街の中にあった。
こんな住宅地の中に奇岩が露出し、そこらに松が植えられている。




東日本大震災の津波はここまでやってきたらしい。




「東日本大震災津波痕跡」




ここまで津波がやってきた




「沖の石」から坂を上ったところが歌枕「末の松山」で、写真の松が生えているところ。
津波は「末の松山」の手前で止まったらしい。





百人一首の「沖の石」の歌


我が袖は潮干に見えぬ沖の石の人こそ知らめ乾く間もなし 二条院讃岐(百人一首)





ところで教育委員会の説明板には、ここは「沖の井」の史蹟ともされている。「沖の井」の歌が紹介されていた。


おきのゐで身をやくよりもかなしさは宮こしまべのわかれなりけり 小野小町(古今和歌集)

伊勢物語115段(宮戸島)の在原業平の歌と同じであるが、まあ、それはそうとしよう。









福井県にも「沖の石」があるらしいです。




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