すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


御前浜(兵庫県西宮市)




西宮の海にこんな砂浜が残されているとは驚きだ。
アサリなどが採れそうだが、どうだろうか。
ただし湾奥なので潮の流れも乏しく、夏などはひどい臭いがするのだろう、多分。



地図ではこんなところ。




西宮市の広田神社への参道がこの浜から続いていたとされ、広田神社の前の浜ということから「御前浜」となったらしい。

昔は風光明媚なところだったのかも知れない。





現在はこんな感じ















そして、初めて使ったiPhoneのパノラマ撮影!!!



いや〜、素晴らしい!(写真の撮影が)






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古詠が多く残る。



【御前浜】

神垣やおまへの浜の松風に波も打ちそふ里神楽かな 後京極摂政


いさざよき光にまがふちりなれやおまへの浜につもる白雪 藤原俊成


あはれみをひろ田の浜にいのりても今はかひなき身の思ひかな 藤原定家
広田神社の浜として、「広田の浜」と呼ばれることもあった


人はいさわれとはふまじ神垣や広田の浜にふれるしら雪 惟宗広言





【御前の灘】

しまきするおまへの灘は過ぎねどもけさの沖こそ思ひやらるれ 俊恵法師





【御前沖】

はるばるとおまへの沖を見わたせば雲井にまがふあまの釣船 右衛門督頼実(千載和歌集)


朝なぎにおまへの沖をこぎ出でて雲井を海のものとしりぬる 源信





【御前池】

おもへども人めをつつむ泪こそおまへの池となりぬペらなり 名寄




当然ながら、神功皇后伝説によってできた広田神社への信仰の強さを感じる歌が多い。






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雨が降ってきたので、写真だけ撮ってすぐに退散しました。






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