すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
音戸瀬戸は本州の呉と倉橋島の間の海峡。 ここはまさに平家物語フリークにとって憧れの地である。 平清盛が海峡を開削したとか、清盛が西に沈む太陽を「返せ戻せ」と扇で招いたら一日で切り開いたという伝説がある。 海峡の南端に「清盛塚」があって、本州側の音戸ノ瀬戸公園に「平清盛日招き像」がある。この二つは押さえておきたい。 また、音戸ノ瀬戸周辺は「日招き」がキーワードとなっていて、第二音戸大橋は「日招き大橋」の愛称があり、橋の倉橋島側に「日招き広場」があり、橋の赤色は「日招きレッド」らしい。 残念ながら、現地を訪れた際に「清盛塚」のことを忘れていて訪問せず、また「平清盛日招き像」は道を間違えてしまい、これも訪問できなかった。 中国地方5泊6日の旅の最終日だったので、疲労困憊であった。 え〜と、音戸ノ瀬戸の関連の歌を探してみたが、あまりなかった。 |
船玉のぬさも取あへずおち滝つ 早きしほせを過にける哉 | 今川貞世(鹿苑院殿厳島詣記) |
今川了俊が将軍義満の厳島詣でに随行した際に音戸ノ瀬戸を通過。潮の流れが滝のように早い海峡を通過する様子を詠んだもの。 |
舟宿暗門 憶曾随家君泊此 今十一年矣 篷窓月暗樹如烟 拍岸波声驚客眠 黙数浮沈十年事 平公塔下両維船 |
頼山陽 |
■ 現地訪問![]() 音戸大橋、橋名賀172メートル、1961年完成 ![]() 日招き広場から音戸大橋を望む ![]() 第二音戸大橋、全長280メートル、2013年完成 ![]() iPhoneの新しいカメラ機能で、二つの音戸大橋を一枚に収め |