すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
小野(京都市山科区)
小野小町は謎に満ちた人物で、実際のところ系譜を含め、その実情はよく分かっていない。 このため全国各地に小野小町の伝承地が広がっており、中には眉唾的な小町伝説も多い。 その中で山科の小野の随心院は別格であろう。 当地は小野氏の根拠地とされ、小町が晩年過ごした地とされる。 とにかく、古今和歌集の六歌仙の一人である小野小町ゆかりの地の随心院は、和歌の聖地フリークとして外すことのできないデスティネーションである。 京都山科探訪の機会に訪問した。 【随心院】 ・・・ 京都府京都市山科区小野御霊町35 ![]() 薬医門。 その向こう(門の中)に見えるのが表玄関。 ![]() 本堂と前の池。 ここが随心院で一番に有名な構図であり、桜や紅葉、雪の時期の光景は秀逸である。今回の訪問は真夏で、カメラの腕の悪さもあって、この程度の写真になってしまった。 ![]() 池の写真。 ![]() 本堂。外国人が疲れて座っていた。 ![]() 書院の中庭。 苔が赤茶けていた。 ![]() 表書院の屏風絵。素晴らしかった! ![]() お約束、小野小町の美人絵馬。 ![]() これもお約束、「小野小町の化粧井戸」 ほかに小野小町の筆塚もあったが、炎天下だったので訪問断念。 小野小町といえばこの歌 |
花の色は移りにけりないたづらに我が身世にふるながめせし間に | 小野小町(百人一首) |
その他、小野を詠んだ歌 |
秋過ぎし後の小野なるおくつきを とひ来る袖に時雨ふるなり | 勧修三十六景 |
言の葉を散らさずもがな雲居まで吹伝へたる小野の山風 | 新拾遺和歌集 |
秋はけふくるすの小野のまくずはら まだ朝つゆの色ぞにほひぬ | 後鳥羽院(夫木和歌抄) |