すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


大井川(静岡県)






















スタートボタンを押してください



                          


東海道新幹線に乗っていて、天竜川、大井川、富士川などの大河川を渡るときは本当に気持ちのいいものである。

河川敷は広く、なかに畑があったりして、また野球グランドになってるところも多い。

増水したらこの川幅全部を水が満たすのかな、とか考えているうちに、川を渡り切り、堤防にある河川名を見て、現在地を確認する。

新幹線の車窓の楽しみポイントである。



今回は、逆に新幹線が川を渡る場面の撮影に行ってきた。

川の名は「大井川」


どこまでも続く連続トラスが美しい!



目の前を轟音をたてて新幹線が走り抜ける!



トラス橋の修繕工事をしている様子。











大井川は古来、東海道の難所とされ、旅人にとって渡渉は難儀を極めた。江戸時代の馬子唄 

箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川








ただし、「十六夜日記」では作者の阿仏尼は、聞いていたほど大変ではなかったと記している。

菊川をいでて、けふは大井川といふ河をわたる。水いとあせて、聞きしにたがひて、わづらいなし。河原、いく里とかや、いとはるかなり。水のいでたらんおもかげ、おしはからる

おもひいづる都のことはおほゐ川いく瀬の石の数もおよばじ 阿仏尼
 都の思い出はこの大井川の河原の石の数も及ばないほど多い 


「大井川」と「多い」、また京都の「大堰川」を掛けている。 








東海道中膝栗毛で弥次郎兵衛喜多八が蓮台に乗ったときの描写

蓮台にうち乗り見れば、大井川の水さかまき、目もくらむばかり、今やいのちをも捨てなんと思ふほどの恐しさ、たとゆるにものなく、まことや東海第一の大河、水勢はやく石流れて、わたるになやむ難所ながら、ほどなくうち越して蓮台をおりたつ嬉しさいはんかたなし

蓮台にのりしはけつく地獄にておりたところがほんの極楽 東海道中膝栗毛


川を渡るときに乗る蓮台と、死んだのち極楽で乗る蓮台を掛けている。











その他、いろいろな大井川の写真を撮ってきた。


「蓬莱橋」世界一長い木造歩道橋
時代劇のロケに使われるらしい。


「東名高速道路」大井川橋。桁橋。


「東海道本線」大井川橋梁。トラス橋


大井川の風景
梅雨時に行ったので、天気は良くなかった。







日かずふる旅のあはれは大井川わたらぬ水も深き色かな 東関紀行



















一番上のスライド写真の制作にすごく時間がかかった。
時間がかかったわりに、あの程度の出来栄えである。





copyright(C)2012 すさまじきもの 〜「歌枕」ゆかりの地☆探訪〜 all rights reserved.