すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
大岡寺畷(三重県亀山市)
「畷/縄手」(なわて)とは、 細いまっすぐな道のことで、この大岡寺畷は約2キロにわたって鈴鹿川に沿って築かれた堤の上を通る。 当時、東海道の畷道の中で随一の長さであったらしい。 ここは鈴鹿山から吹き下ろす空っ風がまともに当ることから、季節によっては旅人を悩ませていたようだ。 松尾芭蕉の弟子たちによって、こんな連句が詠まれた。 |
から風の太岡寺縄手ふき通し 蟲のこはるに用叶へたき |
上の句:野径 下の句:乙州 |
「大岡寺畷は空っ風が直撃する一本道なので、腹が冷えて便意を催したらどうしよう」という意味。芭蕉の連句集「ひさご」に収録されている。 【現在の大岡寺畷】 ![]() 一般的な道になっていた。 この道の右手に鈴鹿川が流れていて、まさにここは堤の上に当たる。 ![]() 往時は美しい松並木であったらしいが、現在は桜並木。 ![]() 鈴鹿川 ![]() 大岡寺畷(左の道)と鈴鹿川と高速道路の立体交差。東名阪自動車道と名阪国道とその側道。 ![]() 高速道路の高架下の側面には、三重県の宿場町の東海道五十三次浮世絵があった。 |