すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


忍坂山(奈良県桜井市)











奈良県桜井市にある万葉故地の忍坂山(おさかやま)は、他には小倉山(おぐらやま)で詠まれたりしている。現在では外鎌山(とかまやま)や朝倉富士の山名がついている。

標高が292メートルと低山ながらも、その三角形の見事な山容が歌人の心を惹きつけたのだろう。





夕されば小倉の山に鳴く鹿は こよひは鳴かず寝ねにけらしも 崗本天皇(万葉集)





こもりくの 泊瀬の山 青旗の 忍坂の山は 走出の よろしき山の
出立の くはしき山ぞ あたらしき 山の 荒れまく惜しも
万葉集
 泊瀬の山、忍坂の山は、家から出て眺めると姿の良い美しい山である。
この立派な山が荒れるのは本当に惜しいことだ
(日本古典文学大系/岩波書店)
 


忍坂山西麓の忍坂坐生根神社の境内に歌碑


















方角によっては、もっと三角形になる角度があるらしいです






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