すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


逢瀬川(福島県郡山市)




みちのくの、こんな地方都市の普通の町なかの川が、古来より歌枕となってきたとは驚きである。
それにこの「逢瀬川」という名前も、まるで京都か奈良にある川みたいで、言ってみれば郡山市には場違いな川の名前である。



Wikipediaによると、高度成長期に川への不法投棄などで日本屈指の水質汚濁の激しい河川であったらしい。その後に市民運動で川の清掃活動が行われ、近年ようやく豊かな自然環境が甦りつつあるらしい。




■現在の逢瀬川の写真

夕方に着いたので、暗い写真になった。
見たところ、一般的な川であった。



これは奥州街道に架かる橋。




Wikipediaにこの歌を詠んだ歌が列記されていた。


逢瀬川 袖つくばかり 浅けれど 君許さねば えこそ渡らね 源重之(重家集)
まだなれぬ 人にぞ今宵 逢瀬川 同じ流れを 思い渡りて 藤原季経(季経集)
堰とめぬ 人目つつみに ことよせて 流れもやれぬ 逢瀬川なみ 大納言雅定卿(夫木和歌集)
ほどなくも 流れぞとまる 逢瀬川 変わる心や 井堰なるらん 新続古今和歌集
浅香山 さも浅からぬ 敵とみて 逢瀬に勇む 駒の足並み 源頼義


「逢瀬」とは、古語辞典によると「愛し合う男女が人目を忍んで会うこと」とある。
この中で実際に郡山まできて逢瀬川を見た詠み手はどれだけいるのだろうか? 源重之は藤原実方に伴って奥州にやってきているので、たしかに逢瀬川を見て詠んだと思うが。










逢瀬川は数多くの和歌が詠まれてますが、
どこかに歌碑とかがあるのかな?




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