すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
福島市にある飯坂温泉は、秋保温泉、鳴子温泉(ともに宮城県)と並び、奥州三名湯とされている。 東北は温泉の激戦区でありながら、そこでトップ3に入るのだから、本当にすごいのだろう。 日本武尊が東征したときに立ち寄ってここの湯につかったという伝説もある。 ![]() 飯坂温泉のホテル群 摺上川の畔に建ち並ぶ ![]() WIKIPEDIAの写真 ただ残念なのが、松尾芭蕉が「奥の細道」で酷評していること。 芭蕉は安宿に泊まったようだが、運悪く?、夜になって雷が鳴り出し、雨が土砂降りに降ってきて寝てる上から雨漏りがし、蚤や蚊に責められ眠るどころでなく、その上、持病まで起こってしまい、気も遠くなりそうだったとのこと。 次の朝、早々に旅立ったと記している。 ここまで書かれたらかわいそうであるが、駅前の十綱橋のほとりには立派な芭蕉の立像があった。 ![]() 「芭蕉と曽良 入浴の地」の碑 ![]() 芭蕉たちが入った「鯖湖の湯」が今も営業している。 ![]() たしかにこの二人、温泉には入ったが、なにも発句していない。 ![]() 「鯖湖の湯」の隣に鯖湖神社 さて、「鯖湖の湯」は現在の飯坂温泉の古称である。 鯖湖の名の由来は次の歌によるものらしい。 |
あかずして わかれし人のすむさとは さばこのみゆる 山のあなたか | 西行 |
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わがひたる寒水石の湯槽にも月のさしいる飯坂の里 | 与謝野晶子 |
夕立や 人声こもる 温泉(ゆ)のけむり | 正岡子規 |